2019.02.10 Sunday

圧倒的じゃないか…

0




    最近物忘れが酷くなって、自分がどんな竿を所有しているのか分からなくなってきているのですが…

    最も大切にしている竿…と言われたら、まず思い浮かべる一本がこれ…

    1910年代のホートンです。

    アメリカの竿だと、この年代のものになると、実用性という点でやや怪しくなってくる気がするのですが、これは全くノープロブレム。

    バットとミドルはそれなりに使用感がありますが、丸竹製のチューブに保護されていた2本のトップのコンデイションは二アミントとでも言えそうで…

    バーニッシュの痛みも皆無で、グリーンとされているラッピングシルクの色は、百年の時を経てややくすんでいるかもしれませんが、タイムスリップして百年後に現れたみたいな竿です。


    まあ、全体の雰囲気としては、アメリカの竿の洗練された佇まいと比べて、この暑苦しさ…

    リバーシブルのスピアー、スパイクの付いたスパイラルロックファストジョイント、シャフトを斜めに横切るまさに「ブリッジ」ガイド、エクストラクローズと言われる段巻き…


    「圧倒的じゃないか…」

    ビグザムみたいな竿のであります。 ← ははは、分かります?





    特に、このトップに施された段巻きは見事の一言…

    2本ともぴったりと揃えられた間隔は、息を飲むほどです。

    今のビルダーさんにやってくれと頼んだら、何て言われるかな(笑)


    さて、このホートン、後にややスティッフなアクションを持つクラウンホートンがカタログモデルとして追加され、戦後も製造が続けられるのですが、戦後はグリップのシェイプもハーディーでお馴染みのフルウェルとなり、アクションはさらに強くなり、テスト川でのドライフライの釣りのための竿と言うより、ニュージーランドなど海外での大型鱒を釣り上げるための竿になっていきます。

    この年代のものだと、長い竿ですから重いことは重いのですが、アクションは全体にかなりしなやかです。

    ドライフライの竿って、こんな感じだったのだと…


    使う場面として思い描いていたのは、真夏の忍野…

    むせ返るような緑の中、夕刻に飛び交うヒゲナガのアダルトを、川面に大きな波紋を残して吸い込む大型のブラウン鱒を狙って、先糸にオシノキラーを結ぶ…


    ディープサマー、オシノキラー、ホートン…


    こんな組み合わせを考えていたのですが、以前は底が見えないくらい深かった忍野の桂川も、今ではすっかり川床が埋まり、老獪な大型の鱒が潜む雰囲気はすっかり変わってしまいました。

    とは言え、「昔は良かった」と言う年寄りみたいな話ばかりもしていられないので、たまにはこの竿も川に持ち出して水を見せてやろうかと思っているところです。
    2019.02.03 Sunday

    The J.J.Hardy Triumph

    0



      段巻きの入った古いパラコナ竿、今や釣り道具屋さんでもオークションでも、いくらでも見かけるようになりましたが、昭和の時代には、ハーディーのカタログで見ることはあっても、ホンモノにお目にかかる機会はほとんどありませんでし、周囲で使っている人は絶無でした。

      確かクラウンホートンだったと記憶していますが、ハーディー社でフルレストアしたものを見せられて…

      細かく入った段巻きに、スパイラルロックファストジョイントに、リバーシブルのスピアーですよ!

      実際に手に入り、釣りに使えるのだと知ってからは、もう、熱病に冒されたようになってしまい…

      宴会の席で、鍋に添えられた取り箸にきれいな段巻きが入っているのをうっとりと眺めている自分に気が付いて…

      だみだこりゃと(笑)


      当時は競争がなく、売り手市場だったせいか、結構高価でしたね。

      元は安かったはずなのですが、思えば何倍支払ったのだろう…

      でも、他に手立てがなかった…

      初めて手に入れた段巻きのパラコナ竿は、画像のJ.J.H.Triumph、50年代製のものでした。

      アングラーズガイドに掲載されていた、J.J.ハーディーの威厳に満ちた姿…

      もう、竿と添い寝しましたね(笑)

      最初はかなり汚れていたのですが、磨きに磨いて、ピッカピカにしましたよ。

      コルクグリップはクレンザーで洗って…

      考えてみれば、この竿はバーニッシュが緩んだりすることもなく、きれいな状態を保っています。

      バットが細い割にはティッブが太く、ヒゲナガの飛び交う忍野や桂川のイブニングで活躍してくれました。

      その後、色々と竿の本数が増えるにつれて、出番が少なくなり、今はすっかり余生を送っているような状態ですが、久しぶりに袋から取り出して継いでみたら、全然問題なく使えますね。


      手に入れた時に最も嬉しかったパラコナ竿…

      C.C.de Franceに、デラックスダブルビルドに、イッチェンに、L.R.HのNo.2 J.J.Hardyに…

      色々ありますが、添い寝しちゃったのは後にも先にもこの竿だけです(笑)


      全く釣りをしない友人に見せたら…

      「トリンプ?下着メーカーが釣り竿を作っているのか?」と…

      ははは、だみだこりゃ(笑)
      2019.01.27 Sunday

      もう二度と作られることはないでしょうね。

      0



        以前にご紹介した、L.R.ハーディー氏が使用していたNo2 John James Hardy…

        ジム・ハーディー氏を経て、極東の島国にやって来たものです。


        何を言いたいのかというと、このリールシートですよ。

        ハーディーではリールフィッティングと呼んでいますね。


        一般的にハーディーの竿に広く用いられているアップロックのスクリューグリップ・リールフィッティングとはちょっと違います。

        ネジは内部に刻まれているので、外からは見えないですね。

        ボタン状に膨らんだ竿尻の栓をクルクルと回すと…





        こうして、リールシートの全長が伸びて、リールを装着できるようになる…

        竿尻の栓を回転させても、ポケットのある金具に切られたスリットに導かれて、ポケット自体は回転することなく平行に移動します。

        栓を逆方向に回せば、伸びたリールシートがスルスルと縮んで、リールが固定されると。

        う〜ん、非常によくできていますね。

        伸び縮みに際してのがたつきもなく、栓を回す際に感じられる程よい抵抗感は心地よいものです。

        もちろん使用中に緩むこともありません。

        こんなの誰が考えたのだろう…

        手間とコストがかかっている感じがしますね。


        難点と言えば、その構造上、ひっくり返して収納するスピアーが付けられないこと。

        だから、John James Hardyモデルでもドライフライ用のNo.1ではなく、ウエット竿のNo.2に採用されたのでしょう。

        でも不思議なことに、アングラーズガイドを見ても、このリールシートは他のモデルに用いられている形跡がないのですよね。

        評判がイマイチだったのか、手間がかかり過ぎたのか、理由は分かりません。


        少なくとも、現代のメーカーさん、ビルダーさんでは再現できないでしょうね。

        もちろん、無理にやればやれなくもないかもしれないけれど、とてもコスト的に合わないでしょう。

        リールシートでお金を取りたければ、フィラーに銘木や象牙を使ったり、金具にシルバーを使ったりと、手間はあまり変えずにお金だけ余分に取る安易な方法はいくらでもありますからね。


        そうそう、そう言えば…



        我が国に冠たるフライロッドのブランド、カプラスのリールシートが、これにちょっと似ています。

        外からネジが見えなくて、原理的には同じもののように見えます。

        こちらの方がずっとシンプルなようですけどね。

        何故か普及しませんでしたね。


        工房ではなく、工場で、熟練した名もなき英国の職人たちの手によって作り上げられたもの…

        大事に後世に残さないと…

        二度と作られないでしょうから…
        2019.01.20 Sunday

        趣味ってそんなものですよね…

        0


          何でも「釣り竿」がお好きなのだそうですね…

          そうですが何か…


          それで「カメラ」もお好きなのだそうで…

          はい、そうですが何か…


          「クルマ」までお好きなのだそうですね…

          はいはい、そうですが何か…


          普通なら、「釣りが」「写真が」あるいは「ドライブが」と言うべきところでしょう(笑)

          半分馬鹿にされているのかもしれませんが、別に気にしませんよ。

          趣味なんて、そんなもんです。


          釣るだけならパラコナもレオナルドも和竿もいらないし、写真を撮るだけならスマホのカメラがあればライカなんていらない、ドライブするだけなら国産コンパクトカーが一番…

          相方にはよく言われますが、男は染色体が一本少ないので、どうしても埋まらないのよ。


          フィッシングショーで竿忠の名品の並ぶガラスケースにかぶり付いている姿を見て、相方はまるで宇宙人でも見ているかのような呆れ顔…

          オーディオショップなんかに付い来なけりゃいいのに、こちとら楽しくて仕方ないのに、相方ときたら、「つまらなさそうですね〜」なんて店員さんに声をかけられる始末…


          いいのよいいのよ、和竿の口塗りがいくら手が込んでいようと、各セクションの三つの節がビタッと揃っていようといまいと、釣れる釣れないとは何も関係がないのだけれど、それがあるから趣味は楽しいのよね。


          ほら…



          こんな本まで出ていたりする…

          カメラでもクルマでも、ここまでのものはないですね。

          企画された方、エライ!

          いや、ホント、だからこそ、余計に楽しい…

          漆カブレが心配ですが、実際にやってみたい…


          よっぽど需要がないのか、逆に古本の値段がとんでもないことになっていたりして、ブッたまげちゃったり(笑)

          いや、しかし、読んでいるだけで結構幸せな気分になれますよ。
          2019.01.19 Saturday

          趣味の世界…

          0



            和竿にはあるけれど、レオナルドにもペインにもハーディーにもないもの…

            口塗りの細工、いわゆる「変わり塗り」ってやつですね。

            重箱でも見かける七子塗りはもとより、金虫食い、海老塗りに団十郎塗りと、まあ色々あることで…


            塗っては乾かし、凹凸を付けて、何度も漆を重ねて、最後に平滑に研ぎ出すという、竿本来の性能にはほとんど影響しない細工なのですが、これが所有する喜びを何倍にもしてくれるのであって…




            どうやってこんな模様を付けたのだろうと思うものもあるのですが、良い資料を見つけたので、な〜るほどと…


            こういう細やかな手仕事は、手先の器用な日本人の独壇場ですね。


            切り組み、火入れ、摺り合わせも済ませて、あとは口巻きと塗りのみを残すのみ、というような半製品があったら、一度この「変わり塗り」をやってみたいものです。


            胴漆を手拭きとかで仕上げたら、手がどうなっちゃうのか、少し恐ろしくもありますが…
            2019.01.13 Sunday

            オリジナルの証…

            0



              唯一所有しているペインのアルミケースです。

              残念ながら、オリジナルを示すラベルは貼られていません。

              出所はこれ以上しっかりしたところはないと言えるものなので、心配はしていないのですが、あれこれ考えてみました。

              レオナルドでもそうなのですが、ケースが本当に細いですよね。

              大丈夫かと思うくらい…

              見事にフィットさせた内径です。

              そして、その長さ…




              これでキャップが締まるのかと心配になるほどギリギリで、余裕が全くない…

              錦織さんの「The History of Bamboo Fly Rods」の中に興味深い記載を発見…

              曰く、1948年に砲弾型のヘッドの付いたフェルールキャップが採用された…アルミチューブに竿を収納する際、フェルールの先端からキャップの蓋までの間にヘッドが収まるだけのスペースがあれば、その竿が48年以降に製造されたものであることが判ると…

              さて、この個体を見ると、とてもフェルールキャップのヘッドを収めるだけのスペースはないですね。

              ではこれは48年より前のものなのか…

              私にはもう少し新しいように見えます。


              このケースがオリジナルではなかったとしても、これだけぴったりとフィットするケースを探すのは並大抵のことではないはずで、これはこれで面白いなぁと思っています。


              実際に使って鱒を釣るのももちろん楽しいですが、竿やケースに残る痕跡から、その竿が辿ってきた道のりに思いをはせることも…

              また楽しからずや(笑)
              2019.01.09 Wednesday

              凄いですね。

              0



                最も魅力的な部門…

                アングラーズガイドの中で、このように言及されています。

                フルドレスサーモンフライを巻くのに、バイスも使わず、ボビンも使わず、素手で巻いていますよ。

                下の写真は、まるで我が国の紡績工場ではないけれど、夥しい名もなき女性工員が、一心不乱にフライを巻いています。

                後方に、監督らしき男性が立っているのが見えます。

                Main Fly-making shopだと…


                何を巻いているのか分かりませんが、こちらもバイスは見えません。

                おそらく一日でとんでもない本数を巻いたのでしょうね。

                アングラーズガイドにはフライフィッシングに関するありとあらゆる製品が掲載されているのですが、ティムコのカタログにあってアングラーズガイドに唯一見当たらないのが、タイイングツールとマテリアル…

                フライは自ら巻くものではなく、完成品を買うものだったのですね。

                それにしても、この作りかけのサーモンフライの何とエレガントなことか…

                プロの仕事って、こう言うものなんですね。
                2019.01.03 Thursday

                L.R.H.のJ.J.H.…

                0


                  相変わらず適当なことばかり書き続けていきますが、今年もよろしくお願いします。


                  フライフィッシングを楽しんでいる知り合いを見ていると、和竿の世界に足を踏み入れている方が多いように思います。

                  テンカラもそうですが、タナゴなども…

                  繊細極まりないタナゴ竿は、欧米の竿にはない遊び心にあふれていて、いつか私もやってみたいものです。

                  神奈川県だと釣れる場所があまりないようなのですよね。


                  画像は、久々に取り出した長めのパラコナ竿…

                  No.2 J.J.Hardyです。

                  No.1がドライフライの竿なのに対して、こちらはウエット用…

                  数多あるパラコナ竿の中で、このリールフィッティングはNo.2だけの特徴で、リングを締め上げる一般的なそれと違って、内部に切られたネジに沿ってリールフィッティングの後端が伸び縮みしてリールを固定する仕掛けになっています。

                  カプラスの竿がこんな感じでしたね。

                  ドライフライ竿ではないので当然ですが、リバーシブルのスピアーはありません。




                  このモデルは、バット部にJohn James Hardyのサインが入っています。

                  この竿は1924年モデル…John Jamesはご存命でしたから、サインが入っているはずなのですが、サインはなく、No.2 J.J.H.とあるだけです。

                  レストアなのね…と言いたくなるところなのですが、ただのレストアではなくて、この竿、L.R.Hardyが実際に使用していた竿なのです。

                  ジム・ハーディー氏が、ロッド・イン・ハンドマークのデザイン原画やトーナメントリールなど、所蔵していた釣り道具類をオークションに出されたことがあって、当然ながら私はほとんど落札できなかったのですが、何の因果か、これだけが運よく私の手元にやって来たのであります。

                  3ピースの竿は、2トップが基本なのですが、この竿は1トップ、おそらくレストアされた竿だったことから、あまり注目されなかったのかもしれません。


                  でも、だからこその面白みがあります。

                  附属していた布袋は、もちろんハーディーのものなのですが、竿よりも少し新しいようで、エクストラトップを収納するスペースがない、シングルトップ用になっています。

                  そして、袋に縫い付けられたロイヤルワラントの紋章を見ると、THE LATE KING GEORGE V.とあります。

                  ジョージ五世が逝去されたのは1936年1月ですから、オリジナルの袋であれば、LATEとはならないはずです。


                  想像するに、L.R.Hardyは、この竿をかなり使い込んでいたのではないかと思うのですね。

                  汚れたグリップと、非常に滑らかなアクションが物語っています。

                  最初は2本あったトップも、いつしか1本は破損してしまい…

                  そして、L.R.Hardyは、愛用の竿のメンテナンスを命じたと…

                  新たにバーニッシュが施され、モデルネームも新たに書き起こされ、布袋も専用のものが誂えられた…

                  新規にトップを作成することもできたと思うのですが、あえてシングルトップ仕様にした理由は、今となっては歴史のヴェールの中…


                  何の因果か、極東の島国にやって来てひっそりと余生を送っている、L.R.Hardyが愛用した、J.J.Hardy…

                  久しぶりに日本の水を見せてやろうと思っています。
                  2018.12.22 Saturday

                  郡上のテンカラ竿…

                  0


                    長良川と郡上竿の世界というブログに出会ったことがきっかけで、以前に郡上で買い求めた郡上のテンカラ竿を引っ張り出しては楽しんでいます。

                    手元には、美並に工房を構える最後の郡上竿師の福手福雄さんを訪ねた時に買い求めた4本継ぎの塗り竿と、その後に送っていただいた少し長めで5本継ぎ、予備の穂先が付属する総巻き竿があるのですが、私のお気に入りは、簡素な塗り竿のほう…

                    繊細で軽快な江戸和竿のテンカラ竿とは全然違って、穂先も太くて、さほど気を遣っているとは思えない仕上げを見て、最初はイマイチな印象を持っていたのですが、色々と拝見していくと、それぞれに意味があることが分かり、職漁師の道具の流れを汲むこの竿がとても愛おしく感じられるようになりました。


                    「重いなぁ」と思っていたのですが、テンカラ竿でも、郡上竿は基本的には両手で操作する竿なのだと知り、納得がいきました。

                    最近でこそフライ竿もツーハンドの竿が当たり前のように使われていますが、ちょっと前なら、誰も使っていませんでしたねぇ。

                    ツーハンドのサーモン竿を持っていると言うと、不思議そうな顔をされて「スコットランドにでも行くつもりなんですか?」な〜んて言われたものですが、両手振りの毛鉤竿はとっくの昔から存在していたのですね。

                    と言うわけで、オフなので釣りに行くことはできないのですが、夜な夜な竿を取り出しては、磨いて継いで、楽しんでいます





                    ついでに読書もね(笑)


                    郡上訛り?の語り口が、とても味わいがあっていいですね〜

                    ほら、外国の竿職人を取材した本で、いかにもそれらしい語り口で書かれているものがありますが、当然ながら本当にそのように喋っているわけじゃないのであって、読者が抱く竿職人のイメージは、著者によって作り出された虚像のような気がして、何と言うか、違和感を感じていました。

                    まあ、もちろん原書を当たらなくてもよいのですから、それはそれでありがたいのですけどね。


                    その点、こっちは徹頭徹尾、正真正銘の日本語ですから、読んでいてとても気持ちがいい…

                    でも、釣りの技法の話になると、やっぱり言葉だけでは理解できません(笑)
                    2018.12.15 Saturday

                    イワナは過去に逃げる…

                    0



                      湯川豊さんの「イワナの夏」にそんな話がありましたね。

                      日光湯川とか忍野桂川とか、深山幽谷とまではいかない川をホームグラウンドにしている小生ではありますが、小僧の頃は親に連れられて酒匂川や利根川の源流に行ったものです。

                      初めてヤマメを釣ったのは酒匂川の源流の世附川…

                      もちろん三保ダムなんてなかった…


                      初めてイワナを釣ったのは奥利根の木の根沢…

                      小学校四年生くらいかなぁ。

                      五月の残雪の中で、寒くて手も足もかじかんで半泣き状態だったのに、一匹釣り上げたら一気に復活、鼻歌混じりになったのを覚えていますよ。

                      イワナの養殖・放流なんて考えられなかった時代…

                      藤原ダムのほとりにある旅館のオヤジさんから、夢のような昔話を聞いたものです。

                      尺上イワナが群れをなしてウヨウヨ泳いでいた淵の話とか、蛇を飲んでいたイワナ、大雨を予知して流されないように小石を飲むイワナなどなど…

                      あのオヤジさんもおそらくこの世にはいないでしょう。

                      小僧のくせに山本素石さんの本とかを読んでいましたよ。

                      あの頃から「昔は良かった」という話を聞き続けて…


                      千曲川にイワナがいっぱいいるらしい…

                      川の中を歩いているとイワナが足にぶつかってくるらしい…

                      実際に訪れた金峰山川は、生々しい台風の爪痕が残っていて、足にぶつかってくるイワナなんて一匹もいませんでした。


                      そうやって大きくなった私ですが、気が付けばいつの間にか、自分も同じような話をしている…

                      以前の忍野はもっと水量があって、底が見えないくらい深い場所もあったのだと…

                      暗くなると出てきて、水面に静かに大きな波紋を立てる大型の鱒…

                      都留付近の桂川の本流で、9フィート6インチのハーディーのドライサーモンの竿、ホロコナ・サーモンデラックスを根元からへし曲げて、フックを伸ばして逃げて行った大型の(おそらく)レインボー鱒…

                      後日、同じ場所でかけた50センチ弱のレインボー鱒は、この竿の相手にはならなかった…

                      あの記憶だけで、一生語れるのではないか…


                      ああ、いつの間にか、自分自身が過去に逃げ込んでしまっているのかな…
                      Calendar
                           12
                      3456789
                      10111213141516
                      17181920212223
                      2425262728  
                      << February 2019 >>
                      PR
                      Selected Entries
                      Categories
                      Archives
                      Recent Comment
                      Recommend
                      Links
                      Profile
                      Search this site.
                      Others
                      Mobile
                      qrcode
                      Powered by
                      30days Album
                      無料ブログ作成サービス JUGEM