2024.03.17 Sunday

試行錯誤は続く…

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    和竿としては3m程度が一般的とされていたテンカラ竿(毛鉤竿)…

    渓流で使うには適当な長さなのだと思うのですが…




    箱根早川のような川幅がそこそこ広くてバックが取れて鱒のサイズも大きい川では、カーボンのテンカラ竿でも4mを超える長さになってきます。

    テンカラ竿として作られた和竿でそのような長さに仕上げられたものにはなかなかお目にはかかれない…

    となると、テンカラ専用和竿よりも伝統的な4.5m前後のヤマメ竿に光が当たってきます。

    ただ、餌釣りが主なヤマメ竿は、テンカラ釣りのように道糸を打ち返すような動作は想定していないと…

    そうした中で、早川では鱒のサイズが大きいことに引っ張られて、繊細な竿よりも穂先の太いがっちりした竿を選んでいたのですが…

    穂先が太いと言うことは、大抵の場合、手元も太くて竿全体の重量が増してくる…

    もちろんかなり重いことは覚悟して使うのですが、カーボン竿と比べると嫌になっちゃうほど重いし…




    そんな中で巡り会った竿が上の竿…

    長めではあるのですが、かなり細身で、比較的軽い…

    最初はヤマメ竿ではなくヤマベ竿かと思ったのですが、穂先が削り穂ではなく布袋竹なので、やっぱりヤマメ竿なのだろうと。




    結構違うのが分かると思います。

    口塗りはシンプルな蠟色仕上げではなく、繊細な梨地仕上げです。

    江戸の遊び心が垣間見られる部分です。




    手元の淡竹は根掘りでもなくシンプルな仕上げですが、この細さがいいのではないかと…




    布袋穂先も繊細ですが、5m近い竿全体で鱒の引きを受け止めるので、竿全体のトルクはかなりあると思います。

    和竿なんて強度が足りないのではないかと思われるかもしれませんが、一度和竿で釣っていて根掛かりした時に、ヒュンヒュンと糸鳴りがするほど竿をあおってみたのですが、竿は何ともなかった…

    繊細な穂先や穂持ちに傷が入っていたらあっけなく折れてしまうかもしれませんが、それはカーボンでも同じことですよね。




    この竿は、四代目東作の高弟として注文竿を任された名工「東盛」の作品…

    東盛親方は既に他界されていて、遺作でもあるこれらの作品はかけがえのない貴重なものなので、大切に使わないといけないのでしょうけれど…


    やはり満月になるほど曲げて初めて和竿なのだろうなぁと…


    次回の早川出撃ではこの竿を試してみようと思っています。
    2024.03.10 Sunday

    早川は楽しかったけど、ちょっと…

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      テンカラ釣り愛好家の集まりが主催する釣り大会に参加するために早川に行ってきました。

      考えてみればこういう集まりに行ったのは初めてですねぇ。

      フライフィッシングは、こういうノリでやることってあまりないですよね。




      主催者の皆さんのクルマ…

      いいねぇ。




      受付を済ませて川に行くと、ヤマメを積んだクルマがやってきました。

      八丁やまめ養殖センター、山北の皆瀬川のどん詰まりにある養殖場ですね。

      マムシの養殖場は今もあるのかなぁ。




      大会の前に皆で放流の手伝いを…

      昔、日光の湯川も成魚放流に頼っていた頃、背負子を背負った漁協の人があちこちにドボドボと養殖鱒を放流しているのを苦々しく見ていたものですが、早川のような川は、放流によって釣り場のコンディションを維持することも大切ですね。

      漁協の熱心な放流活動が奏功して、60センチ、70センチのレインボー鱒が釣れる川として、早川は遠方から大勢の釣り人が訪れる、知る人ぞ知る有名河川になりました。




      放流を手伝ったのも初めてですよ。

      少しずつビニール袋に入れて、あちこちに分散して放流しました。

      高齢の組合員にはかなり重労働でしょうから、釣り人にやってもらうというのは考えたものです。




      放流したヤマメは25センチ〜30センチ程度でしょうか。

      大きなレインボー鱒を放流して釣らせてもらえるとばかり思っていたので、ちょっと拍子抜け…




      釣りを開始したのですが、思っていたとおりレインボー鱒の影も形も見当たりません。

      禁漁期間中に相当放流したようなのですが、川鵜にやられてしまったようで…

      大型の鱒でもひとたまりもないのですかねぇ。

      漁協の方に聞くと、硫黄が流れて鰓に詰まってしまったと…

      そうなんですかねぇ。

      湯の花ならまだしも、水に溶けた硫黄が鰓に詰まるとは思えないし、河口付近に夥しい死魚が見つかるようなことがあれば大騒ぎになると思うのですけどね。





      案の定、参加者の竿は殆ど曲がりません。

      放流したばかりのヤマメがすぐに毛鉤を追うとは思えないし、大型のレインボー鱒とのやり取りを期待して張り切って参加した方は肩透かしを食らった感じだったのではないかと…

      大型のレインボー鱒が釣れるC&Rとしての評判を聞きつけて、皆さん遠方から高速を飛ばしてやって来るのですから、漁協さんには申し訳ないですが、触れ込みに相応しいように釣り場を維持していただきたいものです。




      私も、毛鉤に数度のアタックがあったものの、結局ボウズ…

      大会に参加された皆さんもほとんどボウズと、釣果では寂しい大会になりましたが、暖かい陽気の中でテンカラをやられる方とお話しできて、とても楽しい一日を過ごすことができました。


      シマノやダイワの最先端のテンカラ竿は、当たり前ですが和竿とは比べ物にならないほど軽くて、レベルラインを投射する能力も優れています。

      凄腕デンカラ師にかかれば、60センチ、70センチの大型レインボー鱒の引きもしっかり受け止めてキャッチできるようで、そうしたノウハウの話もお聞きできて、とても貴重な機会になりました。


      70センチとは申しませんが、せめて50センチ台の良型レインボー鱒を和竿テンカラで取り込んでみたいものです。
      2024.03.04 Monday

      シーズンイン…

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        冬季特別解禁が1月末で終了して、1カ月で通常シーズンの解禁です。

        開けた早川でテンカラ釣りをするためには、どんな和竿がいいのか…

        葛島一美さんの「和竿大全」に掲載されていた3代目竿忠による鱒竿…

        標準的な渓流竿が4.5m程度なのに対して、鱒竿は6m近いと…

        探してみると、鱒竿と銘打っているわけではないけれど、そういう長い竿はあるみたいで…




        5.5mの長竿で早川に初見参…

        和竿と早咲きの桜とロマンスカーが撮れる川なんてなかなかないですよ。

        1m長くなるだけで、手首への負担はぐんと増えて、これは左手を竿尻に添えて、両手で振った方が楽ですね。

        強い風が吹くとその抵抗で、鱒が掛かったわけでもないのに掛かったみたいな手応えです(笑)




        それでもシーズン初期のC&Rエリア、川のそこかしこに鱒の姿が見えて…

        と思いきや、全く魚っ気なし(笑)

        冬季釣り場のように流れに定位する鱒の姿は全く見られません。

        大型鱒の放流によって維持されている釣り場なのだから、それが魅力で遠方からも多くの釣り人がやってくるわけですから…

        せめてC&Rエリアらしく鱒の姿は拝ませてほしかった…




        あと1〜2キロも下れば海です。

        奥日光の漁期が始まるまではこの川で遊ばせてもらおうと思っていたのですが、初っ端から蹴躓いてしまいましたよ(笑)
        2024.02.12 Monday

        ただただ残念…

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          かなり前にお邪魔した茗荷谷にある関釣具店

          和竿を始めとして和の釣り具に拘るとても楽しいお店で、YouTubeの動画でも積極的に情報発信されているのを見て、久々にホームページを覗いてみたら、目に飛び込んできたのがまさかの三代目御主人の訃報でした。

          色々と聞いてみたいこともあったし、そろそろ行ってみようかなと思っていただけに、残念でなりません。




          享年69歳であったと…

          まだまだ若過ぎますよ。


          カーボンなどの新素材に押されて和竿が絶滅の危機にある中で、どうしてもタナゴやマブナ、鯊などの小物に的を絞らざるを得ない中で、粋な大人の遊びとしての江戸趣味の釣りを発信されていて、再訪を楽しみにしていたのですが…


          衷心よりご冥福をお祈りするとともに、志を受け継ぐ方によってお店が再開されることを祈るばかりです。
          2024.01.31 Wednesday

          早川で郡上竿…

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            箱根早川の冬季特別解禁も最終日…

            代休が取れたので、午前中だけですが行ってきました。

            竿は我が和竿連合艦隊の旗艦、徳舟斎の特選ヤマメ竿、二間半…

            旗艦に相応しく、穂先の強度、調子の強さは抜きん出ていますよ。




            前回、二番艦の竿かづをのされてしまったポイントが空いていたので、目を凝らして探すも大型の鱒の姿は確認できず…

            少し離れた場所に、何度か釣って放されたと思われる巨大な鱒が定位しているのが見えましたが、全くやる気がなさそう…

            二間半の竿に4mのラインに道糸でも、フライタックルのように遠くまでは伸ばせないし、目一杯のところで掛けたとしても矯め代がないし…

            なおも見ていると、射程内に良型の鱒が鱒が定位したので、何度か流すとタイミングが合って毛鉤を咥えてくれました。




            鱒は思ったより大きくて、気持ち良く竿を絞り込んでいきますが、前回のようにのされることはありません。

            二間半、4.5mもあるので、竿全体ではかなりのパワーがあると思い鱒。

            ここでネットを忘れたことに気付いたので、鱒を浅瀬まで誘導して、カメラを構えて道糸に手をかけて手繰ろうとしたら…

            おとなしくなっていたはずの鱒の魚体がグラリとして一気に遁走し、毛鉤が外されてしまいました。

            おまけに外れた毛鉤が竿の弾力で跳ね返り、ガイドリングのようになっていた手の指に深々と刺さってしまい…

            まあ、鉤先はカエシを潰してバーブレスになっているのでわけなく外れるかと思いきや…

            僅かでもカエシが残っていたのか、がっちり食い込んでびくともせず、血は出るわ痛いわで、かなり難儀しました。

            カエシは念入りに潰さないといけませんね。

            そんなことで、鱒は40センチを超えるきれいな魚体だったのですが、またもや画像はありません。




            ここで竿を交代させようと、川を眺めながらクルマへと戻り鱒。

            平日でもはるばる遠方から来られている方が大勢いて…

            すっかり有名な川になったのですね。


            竿を郡上竿に交代して、太閤橋方面に釣り下って…

            さすがテンカラ竿として作られているだけあって、餌釣りの竿よりもスパッと毛鉤を投射でき鱒。

            制作者は郡上・美並で今も竿を作り続ける最後の郡上竿師、福手福雄さん。

            本業は漁師ですから、同じ竹竿でも江戸和竿系の繊細な竿とはひと味もふた味も違う…




            流れが絞り込まれているところに定位する鱒を見つけて、毛鉤を咥えさせることができました。

            竿が気持ち良く曲がっていますが、細身でもやはりこっちの方がパワーがある感じ…

            さすが漁師が自分の漁のために作った実用品…

            長さも4mあるので、カーボンのテンカラ竿と互角にわたり合えるかも知れません。

            重いけどね(笑)




            ネットは持っていたのですが、先ほどの鱒よりも幾分小型だったので、ネットに入れずにリリース…

            写真はこの程度でご勘弁を。


            早川はこれで二月一杯禁漁となり、三月には解禁になり鱒。

            C&Rエリアも変わるでしょう。

            春になれば瀬の中から大きな毛鉤にガバッと出てくるようになるでしょう。

            その時まで…
            2024.01.27 Saturday

            課題あり…

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              ちょっと寒かったけれど、冬季特別解禁は今月一杯なので、またまた箱根早川に行ってきました。

              今回もフライ竿は持たず、和竿のみで出撃です。




              今回のお伴は前回と同じく新しく入手した二間半の「竿かづ」…

              我が和竿連合艦隊(笑)の中では、旗艦「徳舟斎」に次ぐ二番艦的な存在です。

              穂先は旗艦より繊細ですが、良型のレインボー鱒の引きを受け止める力もあり鱒。

              オリーブグリーンの口塗りのおかげで、こうして自然の中に身を置いてもとけ込んでくれますね。




              今回も鱒の喰いはすこぶるシブかった…

              流れに定位する鱒を探して口元に毛鉤を流し込むのですが、プイッと毛鉤を見切られてしまいます。

              かなり鉤のサイズを落としたのですが、見えるスレ鱒を釣るのは難しい…

              場所を移動しながら見える鱒をめがけて毛鉤を流し込んでいると、一匹の大きな鱒がスッと横に動いて口を使ったように見えたので合わせをくれると…

              ガガガガガ…と、怒涛のスピードで下流に走られて、慌てて竿を立てて矯めようとしたのですが、それでも竿をのされてしまい…

              よっしゃぁ、ここから勝負というところで鉤を外されてしまいました。

              ラインブレイクではなかったので、慌ててしまったこちらのミスですね。

              う〜ん、これがフライ竿であれば、リールからラインが引き出されていきますから、一気に竿がのされるようなことはありません。

              延べ竿では、40センチなら止められても50センチでは厳しいかもしれません。

              あとは道糸の長さ…

              竿に対してバカを出す一般的なテンカラの仕掛けであればまだしも、今回は竿と同じくらいの長さの仕掛けにしていたので、今回のように大型のレインボー鱒に一気に走られてしまうと余裕がない…

              ちょっと作戦を練り直さないといけませんね。


              その後もしばらく釣り続けて、ふと上流を見ると…



              あらら、入るポイントがない…

              漁期は今月末までなので、皆さん考えることは同じようで…

              まるで解禁日を思わせる賑わいです。


              下流を見ても…



              上流ほどではありませんが、点々と釣り人が見え鱒。

              色々と明らかになった課題を胸に、川を後にしました。

              川沿いに止めてあるクルマのナンバーを見ると、横浜、多摩、品川以外にも、名古屋、豊橋、つくばと、遠方からご苦労様です。

              私にとっては手軽に行ける身近な早川ですが、漁協や関係者の努力で遠方からわざわざ出かけて来るまでの魅力的な川になっているのですね。


              さあ、次は三月ですよ。
              2024.01.23 Tuesday

              和竿に水を見せに…

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                前回、東俊親方のデッドストック品のヤマメ竿をへし折ってしまい、失意に身を任せて「竿かづ」のヤマメ竿をお迎えしたと…

                あの時点では「3本の竿かづ」だったのですが…




                実はもう1本「竿かづ」の出物があって…

                我が和竿の旗艦「徳舟斎」にも引けを取らないしっかりした二間半…




                親方が得意だったと言うオリーブ色のお洒落な口塗りです。




                これから活躍してもらうつもり…




                この竿に水を見せてあげようと、もう秒読みに入った箱根早川へ…




                何と言ってもアクセスが便利なので、茨城のナンバーのクルマも…

                水郷でタナゴでも釣っていた方が良さそうなのに(笑)

                そんなもんじゃないですね。

                自然渓流で60センチ70センチのレインボー鱒が狙えるのは貴重ですよ。




                今回も、鱒は見えるのに毛鉤を流すと逃げていくようなやつばかりで、思いの外苦戦しました。


                ようやく良型の鱒が毛鉤に喰い付き、竿が気持ち良くしなり鱒。

                長い和竿がキュ〜ッと曲がっているのは見ていて気持ちがイイですね。

                鱒の動きをしっかり受け止め、曲がり具合を見てもどこにもウイークポイントはなさそうです。

                曲がっている竿の写真を撮ろうとカメラを出していたら、フッと竿が軽くなり…

                いや、今度は竿を折ったのではなく単なるバラシでしたよ。

                小さなバーブレスの毛鉤では油断すると外されてしまいますね。




                大きい鱒も見えるのですが、スレてい鱒。

                これでルアーを食わせるテクニックは凄いなぁ…




                開放されているエリアの最上流部あたりまで来ました。

                この上は河川工事が入ってい鱒。


                ということで、今回も鱒の写真がなくてすみません。

                新しい和竿には辛くも水を見せてやることができました。

                しっかりしている分、重量があるので、片手で振り続けるのはちょっと厳しいかも…
                2024.01.13 Saturday

                4本の…

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                  「4本のヘミングウェイ」という本があります。

                  モンブランがヘミングウェイをオマージュして限定販売したもので、ヘミングウェイ本人とは縁もゆかりもないのですが、今ではプレミアが付いて高価で取引されています。

                  それを4本も揃えてしまうのは大変だということなのでしょうけれど、これが4本のレナードとか4本のペインなんていったところで、本になるようなことではないですよね。

                  さすがに4本のギャリソンとかであれば驚くかもしれませんが…




                  ということで、これは「3本の竿かづ」です。

                  先週「東俊」のヤマメ竿を早川でへし折ってしまい、その悔しさから、つい1本増竿してしまいました。




                  口塗りは、1本は研ぎ出しの変わり塗りが施されていますが、残りは簡素な蝋色仕上げで、余計な装飾もありません。


                  「竿かづ」は、「東作」一門とは別系列ですが、戦後間もない頃、竿かづ親方が修行していた工房には、戦災で仕事場を失った竿辰や竿米など腕利きの竿師が出入りしたそうで、おかげで高度な技術を会得できたのだと…

                  そうした経験があって「1万円から100万円までの竿が作れる」と評されるまでになった竿かづ親方。

                  その工房は3人の弟子を抱えたチームワークで営まれ、ワンマンオペレーションの個人工房に比べたら生産本数も多かったものと推察されます。




                  ギャリソンやギラムのような「竿忠」や「竿治」などの名品だと、使うのが躊躇われてしまいますが、「竿かづ」は比較的市場に出回っている本数もあるし、何より実用品として信頼が置けますよ。


                  「東作」の竿は、東作親方本人が拵えた高級品からお抱えの職人による普及品まで様々で、そのグレードは焼き印を見れば分かるのですが、売る側がそのことを分かっておらず、安価な普及竿なのに「幻の名品」などと触れ込んで高値を付けているのに嫌気がさして、あまり近寄らないようにしています。

                  六代目東作の竿を入手できたとしても、怖くて使えません(笑)




                  江戸和竿組合の現理事長の竿中親方は、竿かづ工房の出身で、昔ながらの徒弟制度の下でたたき上げられた最後の職人といわれています。

                  フィッシングショーの江戸和竿ブースでは、火入れを実演する若手だった竿中親方が、今や組合の代表…

                  六代目東作親方は既に鬼籍に入られ、竿忠親方や竿辰親方、竿富親方など主要メンバーもお年を召されました。

                  高齢化の波は容赦なく訪れ、世代交代が進んでいるようですね。




                  これは焼き印からは竿かづ工房のものかどうか、判読がつかず…

                  「さおいち」さんという竿師がいたのかなぁ…

                  竿自体の仕上がりは素人のものとは思えないのですが…


                  今はブームが去った感がありますが、一時期フライでもバンブー竿がブームとなり、名高い名品から怪しげな自製品まで実に多くの人がバンブー竿を使っていた時代がありましたよね。

                  このところテンカラ釣りがブームになっていますが、日本古来の伝統的な釣りのスタイルを標榜しながらも、そこで使われる竿は最先端のカーボン素材のものばかりです。

                  まあ、商売がありますからね(笑)


                  ということで、冬の早川では完全にアウェイの状態ですが、これからも和竿を手に川辺に立とうと思います。
                  2024.01.07 Sunday

                  心も折れる…

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                    年末に行ってみた早川は予想以上の混雑で…

                    それでも今月一杯だからと…

                    再び出撃しました。

                    今回はフライ竿は持たずに、和竿テンカラ一本に絞って…




                    今回はレインボー鱒の強い引きにもビクともしなかった徳舟斎ではなく、湯川でも使った東俊のヤマメ竿を持ち出しました。

                    長さは同じでもやや細身で、明らかに軽く感じられ鱒。

                    徳舟斎が6番なら東俊は4番といったところでしょうか。

                    竿は旧式でもそれ以外は最新式で…ということで、ラインは最先端のストレートラインを奢りました。

                    巻き癖が全くないという触れ込みでしたが、全くないということはないですね。

                    それでもコイルにならず、使い心地は上々です。


                    今日の早川は…

                    日曜日ということもありましたが、激混みでした。

                    ポイントというポイントに人が入り、そのような中で流れに定位している鱒を探すのですが、連日相当いじめられてスレているのか、かなり小さな毛鉤を流しても逃げてしまう有様です。

                    大物を狙うルアーの方はかなり厳しそうです。


                    大岩の前に定位している良型の鱒を見つけて、粘り強く毛鉤を流し、ようやく鱒がスッと横に動いて口を使ったように見えたので、よっしゃ〜!とばかりに合わせをくれた瞬間…

                    バキッというかなり大きな音が周囲に響き渡り…

                    「ああ、折れたなぁ」と思いましたよ。

                    でも以前に湯川で折ったみたいに背後の木にぶつけたわけでもないし…




                    見ると、穂持ち下の真ん中あたりで見事にバッキリいっちゃってますよ。

                    スゲ込みが緩んで継ぎのところで折れたのではありません。

                    大型の鱒の引きにのされて折れたのであればまだしも、合わせの時に折れてしまったものですから、落胆よりも驚きが先に出ましたよ。

                    ということで、東俊のほぼデッドストックのヤマメ竿はあっけなく昇天してしまったのでした。


                    まあ、ある程度覚悟はしていたので予備の竿きクルマに積んであり、さすがに折れることはないであろう郡上の総巻きのテンカラ竿に持ち替えて釣りを再開したのですが…

                    ライズする鱒に何度も見切られて、おまけにウエーダーの水漏れが悪化して、すっかり心が折れてしまい…

                    お昼で納棺、いや納竿しました。




                    画像をアップできるような鱒も釣れず、これでは釣行記になりませんね(笑)



                    和竿は生えている自然のままの竹を使い、2本仕舞いにして軽く仕上げるために節を抜き、極力内側をさらって薄く仕上げてあり鱒。

                    見かけはどんなにきれいでも、素材の段階で目に見えないウイークポイントがあったのかもしれません。

                    あるいは微妙な火入れムラとか…

                    いくら腕が良くても、ジイちゃんが作る工芸品ですから、錘を付けたり合わせをくれたり、あるいは実際に釣ってテストしたりすることもないでしょう。

                    和竿なんて、所詮はタナゴやマブナを釣るための竿なんですかねぇ。


                    その点、ソリッドに仕上げるスプリットケーン竿は、和竿の欠点が見事に補われて耐久性が確保されていると。

                    それなのに、ホロービルドなどと称してわざわざ手間暇かけて内側をくり抜いて天然の竹のような構造にする意味がどれだけあるのだろう…

                    高価でデリケートなホロービルドの竿を持っていても、それを実際に使う勇気のある人がどれだけいるのだろう…


                    と、心は折れかけているのですが、懲りずに和竿の可能性を探る試みはこれからも続けていきたいと思っているところです。

                    でも、ウエーダーがご臨終なので、今月末までの早川の冬季の釣りはこれでお終いです。
                    2024.01.03 Wednesday

                    捕らぬ狸の…

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                      箱根早川の冬季特別解禁は今月一杯…

                      なかなか楽しかったので、また行ってみようと思い鱒。

                      前回投稿したように、テンカラ仕掛けで楽しんでいる方が結構いて、お話しするととっても楽しい…

                      そして、一般的なテンカラ釣りがせいぜい30センチ程度の渓流魚を対象にしているのと異なり、最初から50センチ、60センチのレインボー鱒をターゲットにしているのだから面白い…




                      リールが付いているフライ仕掛けだと、ラインを出してやり取りでき鱒が、延べ竿のテンカラではそうもいかず…




                      川幅が結構あるので、走る鱒を竿で止めるか、あるいは人間が追いかけるしかない…




                      前回は和竿を試してみて、40センチ程度であれば十分竿の弾力でやり取りできることが分かりました。

                      でも、フライ仕掛けで鉤掛かりした大型は、アブデルタのドラッグを締めてもラインを引き出していったので、50センチを超えるような鱒が鉤掛かりした時は、結構スリリングなやり取りになりそうですよ。


                      カーボンのテンカラ竿でも、大型のレインボー鱒を意識した竿は本流テンカラあるいはBG(ビッグゲーム)テンカラと呼ばれる、投げやすいしなやかさと鱒の走りを止める強靭さを兼ね備えた竿で、一般的なテンカラ和竿とは別モノです。

                      その点、和竿でも長さがあるヤマメ竿の方が和竿テンカラには向いていそうです。

                      では、手持ちの和竿の中からどれを使うか…




                      今回、改めて重さを量ってみたのですが、同じ二間半(4.5m)でもこの「徳舟斎」が一番太かった…

                      何より穂先が他の竿と比べて太目にできているので、50センチの鱒であっても大丈夫なのではないかと…

                      でも、こればかり使っているのも面白くないので、強いて他に何がいいかと言うと…




                      あと使うとしたら、「ふじ作」の二間半かなぁ。

                      シンプルな蝋色仕上げの口塗りと違って、赤い金虫食いの研ぎ出しの口巻きは、遊び心も感じられてイイ感じです。




                      あと同じ二間半なら、和竿の名工、「東俊」のヤマメ竿が信頼を置けそう…

                      湯川でも使ったしね、

                      日の光に当たると、蝋色漆の下に撒かれた赤い巻き糸が透けてきて、素っ気ない蝋色仕上げよりも美しい…




                      今回、早川のレインボー鱒用に、折り畳み式のランディングネットも購入しましたよ。

                      ネットはもちろんラバーコーティングのやつね。

                      見た目より機能本位ってことで。


                      竿がのされてへし折られるか、糸が切られるか…

                      まだ60センチ超えの大型と対峙したわけじゃないので、まさに「捕らぬ狸の皮算用」なんですけどね(笑)
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